探偵経験
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 ケース3〜岐阜という土地〜


探偵としての最初の試練が訪れたのは、探偵に入社して1ヶ月ちょっと。
それは雪。

東海地方全般の問題でもあるかもしれませんが、岐阜でも長良川を超えて少し奥に行くだけで、その雪の量が違ってきたりするんです。

そこで必要なのが、スタッドレスタイヤ。
そんなこと、予定もしていなかったぼくは、そのタイヤの資金がまだ貯まっていない状態だったのだ。
一人暮らしを維持するだけで必死でしたからね。
端っこではあるが、一応名古屋からの通勤には、もしものことを考えると、スタッドレスタイヤが必要なのだとか。
まぁ、雪道の運転をしたことがないぼくなのだから、そんな日に自分の車で調査に出ることはないので、可能であれば、電車で通勤してくれたらいい、と、探偵 の事務所の代表から優しい言葉をいただいたのですが。

スタッドレスタイヤのことも、雪道の運転も何も知らないぼくは、探偵の代表にいろいろ教えてほしい、と、お願いしてみた。
代表は、面倒くさかったのか、知り合いから、割りと新しいスタッドレスタイヤを手配してくれ、ついでにタイヤ交換までしてくれた。
ぼくは隣りでぼーっと見ているだけだった。情けない・・・。

で、ぼくは一人の探偵の調査員と、高山へのドライブを命じられた。
と言っても、じつは仕事を兼ねて、ということだったのだけれど。
調査のためのある機材を、同じ業種の探偵の人に届けるというもの。

高速道路の運転まではその調査員がしてくれ、高山市内に入ってからはぼくが運転することに。
初めての雪道は、怖いという言葉だけで済まないほどでした。
タイヤの滑る感覚が直かに伝わってくる。特に後輪が。

ちょっとした轍があるだけでも、かなり滑ったように思う。
実際には気にするほどでもないようなのだが。
渋滞の原因になりそうなほどの低速走行に、呆れた調査員が運転を変わってくれた。

無事に相手の探偵の人に機材を届けてから、ちょっと中心地を離れたところで、“運転してみな”。
ぼくのために移動してくれたのだとわかるような道だった。

時刻は13時をちょっとまわったところ。
時間的に、すごく運転しやすい時間なのだとか。
これが朝10時までとかだと、アイスバーンになっていたりして、慣れていても運転が怖いと教えられました。

とにかく、急ブレーキ、急ハンドル、急発進、と、“急”のつくものに気をつけろという調査員の言葉を胸に刻んだ。 探偵の仕事というよりも、自動車教習所にいるような感じがした。
その甲斐あってか、その冬、1度積雪があったけれど、なんとかスタッドレスとその教えのお陰で、乗り越えることができたのだ。

その次の試練。
それは、夏のチラシ配り。
朝10時を過ぎると暑いのなんの。これ。慣れるものではありません。
とにかく、水分補給と、替えタオルをいくつも準備し、熱中症にならないことだけを願って。

まだまだ、探偵の調査自体は個人で動くことはそれほどないので、これからが本番だと思う。
横乗りしている間に、いろんなことを見て吸収して、実際に自分で行動するときに迷ったりしないようにしたいと思った。

探偵独立の道は遠い・・・。




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